Lingua furanca.

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○月X日
 私が地球という場所の監視にあてられて、はや3年になる。月日のたつのは早いものだ。早すぎて涙が出る。
 今回私の任務は「会話のときに人間が二分されることがある、見てみろ」というものだった。
 任務を送った本部は、どうもJAPANのOSAKAの「YOSIMOTO」なるものにはまっているらしい。そこでの会話形態が我々と違っているため、興味を持ったそうだ。ぶっちゃけ、そんならお前しらべてこいよと。だが、いえるほど世の中は甘くない。中間管理職はつらいぜ。
 とりあえず私は、JAPANにすんでいる「たまごまご」なる人物を監視することにした。この人間、昼間は人と会話する仕事をし、夜はひたすら謎の機械の前で会話らしきものをしている。さびしがりやなのか?

○月△日
 冗談、という言葉の意味がようやくわかってきた。どうやら現実と違うこと、つまり虚構を言って笑わせる行為らしい。時にはあえて現実を言って笑わせることもあるようだが、これは研究が必要な段階である。
 さて、虚構を言うと、そのままではみんな信じてしまうかもしれない、と私は不安だった。たとえば私が今ここで「私は実は二人で力をあわせて戦う美少女の戦士なのでした!」とか書いたら、信じる人がたくさんいるだろう。ああ、あぶないあぶない。それに対して人間もかなり考えているようで、冗談を言うと会話している人間のうちの誰かが「それはちがうだろう!」と結構激しい目の口調で糾弾するのだ。つまり「何が美少女だ、お前ははげかけたおじさんだろう」と糾弾されるようなものだ。ああ、なんだか胸が痛いよママ。
 しかし、虚構を指摘すると、言った人間も周りも怒りに狂うのかと思いきや、これが意外なことに、人間はみなニコニコしているではないか。なぜそんな叱られてやさしい笑顔ができるのだ?
 おお、いけないいけない。監視対象の話をせねば。監視していた「たまごまご」だが、どうも糾弾側の人間としか見えない。というのも、この人間、自ら冗談をふるのがすこぶるへたくそなようだ。彼が冗談を言っても、周囲が反応しないことがある。これはさみしい。
 しかし、冗談を言った相手に対してはほぼ毎回のようになんらかの指摘を入れる。しかも脳波をはかったところ、結構思考をめぐらせているようだ。タイミングをはかる、というやつなのだろうか。空気を読む、ということなのだろうか。
 人間はなかなか会話技術も面倒なものだな。我々のように脳にジャックを刺すだけで会話できたらどんなにか楽だろうに。

○月□日
 この糾弾することを「ツッコミ」ということが判明した。「TATUO KAMON」という人物の歌で知った。ちなみにこの歌手は、なかなか面白い。宇宙に持って帰ろう。
 基本的に、ツッコミはその場に必ずしも必要とは限らないようだ。この「たまごまご」のすんでいる地域では、ボケ(冗談のことらしい)にボケを重ねて会話を発展させていく風習が強いようだ。はたから見ていると、そのすっきりしなさときたら流していないトイレでウンチョスをするようなものなのだが、それが彼らにとって面白いのなら仕方あるまい。
 しかし「たまごまご」という人物、地域柄を気にせず「ツッコミ」をするようだ。どうも話している相手がボケにボケる地域と違う人間だからというのもあるようだが。彼の体温を測ってみたところ、ツッコミをしているときに異常に全身の体温が上がっていることが判明した。なんだこいつは、興奮しているのか?性的な意味で。

○月*日
 「たまごまご」監視もそろそろ終わりに近づいてきた。やれやれ宇宙勤務は地獄だぜ。
 ようやくボケとツッコミの仕組みがわかってきた。つまりこれは、コミュニケーションであり、礼儀なのだな、ということだ。
 誰かが自然にボケる。それに対して誰かがツッコミを入れる。それで得する人間などいないのだ。しかし、双方がそれで楽しければよいな、という脳波がお互いから出ている。これはもしかしたら性行為にも似た人間の快楽の一つなのかもしれない。得るものはなくとも、お互いの信頼関係を楽しむのが、醍醐味なのだろう。
 この「たまごまご」という人間は、ツッコミに至上の快楽を見出しているらしい。だれかがとやかく言うものでもあるまい。そっとしておこう。おれって優しいゼ。
 とりあえず勤務を終えて、自分の星に戻ったら、好きなあの子に会いに行こうと思う。そこで、地球で学んだ「ツッコミ」を活用してみよう。多分物理的にツッコミをいれたらさらに喜ぶだろうから、地球で手にいれたこの「ミンキーステッキ」であの子の憧れの胸をツッコンでみたいとおもう。喜んでくれたらよいのだが。

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その後、星に戻った彼がどうなったのかは、誰にもわからない。ただ、折れたミンキーステッキがあるだけであった。
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